「多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」 ユリウス・カエサル

  近年の行動経済学の研究によれば、我々は自分にとって都合のよい情報を選択的に選び(確証バイアス)、都合の悪い現実を見ると都合よく捻じ曲げて認知する(認知的不協和)傾向があるといわれています。

 私もコンサルティングの仕事を通じて、多くの経営者、リーダーの決断を傍らで客観的にみるという機会に接してきましたが、どんな人でもこのような傾向からは逃れがたいということを目にしてきました。

 

 表題の言葉は、歴史上で最も偉大な英雄にも挙げられることもあるユリウス・カエサルの言葉です。紀元前100年に古代ローマで誕生したユリウス・カエサルは、ガリア戦争、ローマ内戦を勝ち抜き共和制ローマの終身独裁官となり、ローマ帝国の礎を築いたことでも知られます。彼が暗殺されたのちに、養子であるオクタヴィアヌス(アウグストゥス)が初代ローマ皇帝となり、帝政ローマが始まることとなります。

 もちろんカエサルは行動経済学の研究成果を知る由もなかったはずですが、2000年以上前に「多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」という現代にも通じる言葉を残したことは、将軍としても、政治家としても、著述家としても超一流であったといわれるカエサルならではないでしょうか。

 

 見たいと欲する現実だけを見ていく、ということは幸福な人生を送るために我々が身に着けた心理的な特性なのかもしれません。しかし、勝ち続けたい、成功し続けたいと思う人や大きな責任を担うリーダーは、「見たくない現実を見る」ということから逃げることはできないということを肝に銘じなければなりません。


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